2024年も2月に入り、調剤報酬改定も大詰めの段階となってまいりました。今回改定の本体部分は6月施行なので決定から少し時間がありますが、その変化に対し的確な対応が求められるでしょう。地域密着チェーンにおいてもそのための組織づくりは不可欠であり、そのためには、管理者の育成が重要なポイントとなってきます。そこで今回はその管理者育成の視点を紹介します。
管理者を育成する上で、押さえていただきたい視点は、そのマインドとしての「役割の認知」とその遂行のために求められる「管理者スキルのポイント」です。
認知すべき役割として、①チームの目的・目標の明確化と遂行、②チームの活性化とメンバーの育成、③率先垂範と仕事おろしの3点を抑えるべきと考えます。
①のチームの目的・目標が改定内容の影響を受けることが予想されますので、このタイミングでしっかり明確にすることが重要です。チームの活性化とメンバーの育成は自チームの目的・目標の遂行のためのもので、薬局の現場においては、率先垂範と仕事おろし(メンバーに任せる)の実施がカギとなります。これらの役割を管理者が自分事として認知できているかが最初の大きなボタンとなります。
管理者スキルとしては、①目標設定のポイント、②組織を活性化させる原則、③部下指導育成のポイント、④ミーティングマネジメントのポイント、⑤人事評価のポイントを習得しておくことは不可欠です。
①②はチーム(薬局)の意識合わせ・場づくり・関係づくりのため求められます。目標は活動の進捗のモノサシとして不可欠だけですし、目的が浸透していないと目標は形骸化しがちです。また、その遂行には、方向性をすり合わせた上で心理的安全性を持った関係づくりを構築し、切磋琢磨できる好循環型組織にできるかが重要でしょう。
③④は課題を推進していくためのものです。部下を十把一絡げとせず、各自の課題と特徴に合わせた指導ができ、チームの調整の場、創意工夫の創発の場としてのミーティングが運営できるかが求められます。
⑤は取り組みを検証し、発展させていくために重要なスキルです。人事評価を行う際、管理者はつい審判や裁判官のスタンスで行うことがありますが、事業経営のマネジメントになりません。あくまでの課題を推進する上での検証、次につながげることとして実施することが不可欠です。
みなさんの組織ではいかがでしょうか?このような管理者育成の働きかけができているかを確認してみてください。
2024.02 株式会社ネグジット総研 経営コンサルタント 久保 隆