薬局経営コンサルティング
6月に入り調剤報酬改定の本体部分の施行もスタートしました。多くの薬局において今回の改定で重点として位置づけられているのが地域支援体制加算への対応です。中でも実績項目の要件を満たすことに苦慮されているところも少ないと思われます。今回は現場での取り組みによって比較的対応が可能と言われている、
「重複投薬等加算」・「かかりつけ薬剤師指導料等」・「外来服薬支援料1」・「服用薬剤調整支援料1・2」・「服薬情報等提供料」
についての繋がりについて取り上げます。
私どもが各地の薬局の幹部や現場の人たちと話をしていますと、少なくないチェーン薬局で「取り組みが形骸化してしまわないか」という懸念を持たざるを得ないような場面に出くわします。どちらかというと「要件をいかにクリアするか」のみに関心がいき、それぞれの点数をバラバラに捉えてしまうことで業務を複雑にし、その点数において本来求められているアウトカムへの意識が欠如しているケースが散見されるのです。
このような状況を避けるためには、それぞれの点数の本質を見てその繋がり・ストーリーを押さえることが求められます。
調剤管理料(処方等の分析)、●重複投薬等加算、6種類以上の薬剤の確認等
⇒服薬管理指導料(調剤前確認、服薬フォローアップ等)
⇒●服薬情報等提供料、●外来服薬支援料1、●服用薬剤調整支援料1・2
⇒中間アウトカムの創出&共有
⇒患者との関係性強化
⇒●かかりつけ薬剤師指導料等
⇒更なる患者との関係強化
(そうした関係性があるので、患者からのヒアリングがより的確にできる
⇒調剤管理料へ
という「中間アウトカムの創出・共有およびそれによる患者との関係性強化を持続的に図る」ためのストーリーです。
地域支援体制加算という点数を算定することも重要ですが、このストーリーを構造にできるか否かがこの点数を形骸化させないポイントとなっています。
皆さんの組織ではいかがでしょうか?このような視点をもとにした地域支援体制加算の実績項目をクリアする取り組みになっていますでしょうか?ぜひ一度、この視点にて検討してみてください。
また、ネグジット総研では、上記を踏まえた「アウトカムの創出と共有を図る考え方を深めるオンライン講座」を実施しています。ご関心のある方は、下記リンクをご参照ください。
https://mc.nextit.co.jp/training-and-seminar/242803/
2024.06 株式会社ネグジット総研 経営コンサルタント 久保 隆