VUCA時代の複雑な問題に対応するために~問題の種類に応じた解決アプローチを!~

VUCA(「先行きが不透明で、将来の予測が困難な状態)時代においては、従来の問題解決の取り組み方ではうまく進まないケースがしばしばあります。その背景の一つに様々な問題に対して同じアプローチで対応していることが挙げられます。このことに対し、問題の種類に応じて「問題解決アプローチを考える手法」が元IBMのデイビッド・スノーデンが開発した「カネヴィン・フレームワーク」です。今回は、その考え方を紹介します。このフレームワークでは、発生した問題や状況を 

単純(Simple)、煩雑(Complicated)、複雑(Complex)、混乱(Chaotic)、無秩序(Disorder)

の5つの領域に分類し、その領域に応じてどのような対処でアプローチするのがふさわしいかを提示したものです。


●単純(Simple)

問題の因果関係や構造が明確であり、問題の発生が予測可能。その対処には専門知識が必要なく、誰でも対応可能なものになります。

気づく(Sense)⇒原因を分類する(Categorize)⇒対応する(Respond)

●煩雑(Complicated)

少々問題の分析が必要ですが、一定の専門知識があれば因果関係の判別が可能であり、対処もそれほど複雑ではありません。「単純」と同じく問題の発生が予測可能とされます。 

気づく(Sense)⇒分析する(Analyse)⇒対応する(Respond)

●複雑(Complex)

これまで直面したことのない複雑な問題は、いきなりの分析だけでは構造を割り出すことができません。問題を把握するための探索が不可欠です。「単純」「煩雑」とは異なり、「複雑」の領域は不確実性が高く、予測可能性が低く、対処に踏み込んだ探索が必要です。 

探索する(Probe)⇒気づく(Sense)⇒対応する(Respond) ※「複雑」における「探索」は、出来事に対し実験を繰り返して、構造への「気づき」を深めるというスタンスです。

●混乱(Chaotic)

問題の因果関係が不明確であり、状況の理解も簡単にはできません。「複雑」と同様に問題発生の予測が不可能とされ、突発的に発生した事件・事故なども「混乱」に分類されます。「混乱」は、先に問題に対して手を打ち、手を打った結果問題の構造に気づくのが「混乱」の対処の特徴であり、原因追及型と大きく異なる点です。
行動する(Act)⇒気づく(Sense)⇒対応する(Respond)
※実行した「対応」に効果があった場合、問題の構造が推測できる(=「気づく」ことができる)ようになります。

●「無秩序(Disorder)」

上記4つのいずれにも分類できないものが「無秩序(Disorder)」です。「無秩序」の領域は問題に対する把握がほとんどできておらず、まず上記4つのいずれかに分類できるようにする必要があります。

VUCAの時代においては「複雑」な問題をどう対処できるかが成長の分かれ目になっています。こうした「複雑」な問題を「煩雑」な問題のアプローチで対応していることはないでしょうか?ぜひその点を振り返ってみることをお勧めします。


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