経営課題推進するために
~内的要因の制約条件をクリアする~!
(薬局経営コンサルティングブログ)

経営課題推進を阻害する3つの内的制約条件

経営課題を推進していく際、外部環境や市場動向など外的な要因に目が向きがちですが、実際にボトルネックとなることが多いのは、組織や人に内在する要因です。これらの「内的要因の制約条件」を整理しておくことは、対策を考える上で非常に有効です。筆者は、この制約条件を大きく三つにまとめられると考えています。それは「能力の不足」「時間の不足」「意欲の不足」です。
  


まず「能力の不足」です。ここでいう能力とは単に知識やスキルだけではなく、経験や適応力、さらには協働やコミュニケーションの力までを含めます。つまり「知らない」「できない」に加え、「新しい環境に対応できない」「周囲と協働できない」といった側面も制約となります。この不足に対しては、教育研修やOJT、標準化・マニュアル化といった仕組みの整備が基本になります。また、小さな実験や成功体験の積み重ねを通じて変化に適応する力を高めることも重要です。  
 

次に「時間の不足」です。これは単純にリソースが足りない場合もあれば、優先順位を誤り本当に必要なことに時間を割けていない場合もあります。業務が非効率であることや、部門間の連携不全による調整コストの増大なども「時間不足」の一因です。ここでの対策は、業務の整理や権限委譲、ITツールの導入による効率化、そして優先順位付けの再考です。加えて、部門横断でのルールや仕組みをつくることも有効です。

 

最後に「意欲の不足」です。意欲が低下する背景には、課題の意義を理解していない、あるいは理解しても納得できていないことが多くあります。さらに、成果が正しく評価されない、あるいは組織内の人間関係や心理的安全性が低く、安心して取り組めないことも意欲を削ぐ要因です。対策としては、ビジョンや目的の共有、納得を得るための対話、評価制度の整合性強化、そして日常的に成果や貢献を承認する文化づくりが求められます。  

 


まとめると、課題推進の妨げとなる要因は「能力」「時間」「意欲」の三つに整理でき、それぞれに対応する対策の方向性も明確です。重要なのは、目の前の停滞をこの三つの視点で切り分け、「どこがボトルネックか」を見極めることです。その上で適切な打ち手を講じることができれば、課題推進は大きく前に進むはずです。この三つの視点は、経営課題に取り組む現場での対話や意思決定の道しるべとなるでしょう。

 

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2025.08 株式会社ネグジット総研 経営コンサルタント 久保 隆