薬局経営コンサルティング
先月、持続的な目標探求には、「その目標が各自の価値観に基づいていることが重要」とお伝えをしました。各自の価値観に基づかせるには、「個人の価値観とチームの価値観のすり合わせ=共通の価値観化」、「チーム価値観の自分事化」が求められます。そこで、今回「『認知の4点セット』を使った対話による価値観の共有」について紹介します。
●認知の4点セットとは
「認知の4点セット」は、一般社団法人21世紀学び研究所代表理事 熊平美香氏が紹介しているもので、「意見」、「経験・背景」、「感情」、「価値観」から成り立っています。
意見:各自が表面的に述べる考え方や主張
経験・背景:その意見を形成した過去の出来事や個人的な環境・学び
感情:意見や経験に伴う内面的な反応や感情
価値観:これらを内省して導き出される、根底にある信念や大切にしている原則
この枠組みは、単なる意見交換にとどまらず、なぜその意見に至ったのかという背景や感情、そして根本にある互いの価値観を共有することで、対話の質を深め、共通の価値観の醸成を目指すものです。

●認知の4点セットを使った対話による価値観共有の進め方
認知の4点セットを使った価値観共有は次のように進めてまいります。
①意見の共有
まず各参加者が自分の意見や主張を自由に表現します。
②経験・背景の共有
その意見がどのような経験や背景から生まれたのかを語り合います。
③感情の共有
次に、各自がその経験や意見に対してどんな感情を抱いているかを表現します。
④価値観の共有
これまでの対話を通して、各自が大切にしている根本的な価値観を明文化し、共有します。
⑤共通の価値観の導出
各自の価値観を整理し、対話を重ねる中で、全員が共有できる「より良いサービス提供」などの共通の価値観を導き出します。
●対話を進める際のポイント
①安全な対話の場の設定
自分の意見や感情、背景を安心して語れる環境を整えることが大切です。ファシリテーターが対話の進行を支援する役割を果たします。
②深堀りと共感の促進
単なる意見交換に留まらず、「なぜそう考えるのか?」と掘り下げる質問を活用し、互いの経験や感情に共感を示すことで、対話の質が向上します。
③価値観の統合に向けた対話
異なる意見や感情がある中でも、共通のゴール(例:患者さんにとっての最善やより良いサービスの提供)を軸に、全員が共感できる価値観へと対話を促します。
④具体例やエピソードの活用
各自の経験や具体的なエピソードを共有することで、抽象的な議論から実践的な理解へと橋渡しが可能になります。
⑤継続的な対話と振り返り
必ずしも一度の対話で完結することに拘らず、継続的に対話や振り返りを行うことで、価値観の共有や深化を促します。
このように、「認知の4点セット」を活用した対話により、組織やチーム内で共通の価値観を形成し、各自や各店舗の目標を「自分事化」する取り組みを推進することで、持続的な目標探求のための土台が整います。ぜひ、皆さんもこのアプローチを活用してみてください。
ネグジット総研では、こうした対話のポイントを部下指導に活用できる管理者の育成のために、管理者スキル研修を企画しています。
詳細は下記アドレスより観ることができます。
管理者スキル研修 オンライン – ネグジット総研 |経営コンサルティング
2025.02 株式会社ネグジット総研 経営コンサルタント 久保 隆