「かかりつけ薬局化≒顧客の組織化」のためにマーケティングを実践しよう!!

薬局経営コンサルティング

 6月にツルハホールディングスの決算発表があり、2月~5月期決算の上場主要チェーン8社(保険薬局メイン4社、ドラッグチェーン4社)の内容が出そろいました。それらを拝見していると「処方箋送信システム」や「アプリ」を使った「かかりつけ化」につながる取り組みが目につきます。特にドラッグチェーンの説明会資料を見ていると、現状の数値を明記しながら、こうしたシステムの活用を通じドラッグ分野と調剤分野の資源の融合を重視していくことを強調しているのです。 

 

 この背景には、外来患者減、技術料単価のヨコバイ推移といった外部環境を踏まえ、「顧客の組織化」、処方箋応需サービスの観点からは「患者のかかりつけ化」、言い換えますと「一回の顧客(患者)を一生の顧客(患者)にする取り組み」といった志向があるといえるでしょう。また、保険薬局メイン大手チェーンや地域密着チェーンにとってはドラッグチェーンの調剤併設店舗での調剤報酬額の合計が調剤報酬全体の17.8%(JACDS発表23年度推計値)になり、30代~60代のドラッグへの流入懸念がより強くなってきていることも想定されます。 

 

 

 こうしたことから、かかりつけ化≒顧客の組織化の取り組みの重要性が高まり、そのツールとして処方箋送信システムやアプリに注目が集まっていると考えられます。このような仕組みを使い患者・顧客との関係性強化、その結果として複数処方箋応需・一元管理の促進、保険外商品サービスの強化(ドラッグにとってはシナジー追求)を図っているのです。

 

 この際に重要となってくるのがマーケティングの視点です。マーケティングとは、端的に述べると
「売れる仕組みづくり≒患者・顧客に選ばれる仕組みづくり」 です。

 この推進のためには様々なツールがあり、それらを効果的に活用することで促進できます。

 例)重点顧客を明確にした4P(商品・サービス、価格、販路、販促活動)

     AISAS(顧客動向分析の視点)
         それに基づくカスタマー・ジャーニー、マーケティングファネルの検討

 

※弊社では地域の薬局チェーンを対象に「実践マーケティング研究会」を開催しており、その参加企業ではこれらのツールを活用して、SNSの登録者数を拡大し、顧客との関係性強化につなげているケースも生まれてきています。

 

 みなさんの会社・店舗ではいかがでしょうか?「かかりつけ薬局化≒顧客の組織化」の取り組みは進められていますでしょうか?「選ばれる薬局」になるために、ぜひ一度、検討をしてみてください。

 ネグジット総研では、今年も『実践マーケティング研究会』の開催を企画しています。

 ご興味のある方は、下記リンクをご参照ください。

 2024年度 実践マーケティング研究会


2024.07 株式会社ネグジット総研 経営コンサルタント 久保 隆