調剤報酬改定2024解説
①調剤基本料本体・地域支援体制加算
【2024年3月5日告示版・疑義解釈その1反映】

令和6年度診療報酬改定は、本年度より施行日が変更され、2024年6月1日に施行されます。

厚生労働省より個別点数の詳細な要件が発表されているものの、どこに情報が掲載されているかわからない方もいらっしゃるでしょう。

そこで、厚生労働省からの発表内容を踏まえて、特に調剤関連の資料より調剤基本料本体および地域支援体制加算の改定ポイントを解説します。

発表資料原文をご覧になりたい方は、以下の調剤関連まとめページをご確認ください。

また、次のYouTube動画でも、調剤報酬改定に関する内容を解説していますので合わせてご覧ください。

目次(こちらをクリックでメニュー開閉できます)

 ※その他項目は、準備が整い次第順次公開予定です。


調剤基本料 改定の全体像

調剤報酬改定において 最も影響のあるポイントといえば「調剤基本料」です。まずは 調剤基本料に関連する改定の全体像ポイントをご紹介します。

まず、大きなポイントとして挙げられるのは、賃上げ対応を目的に調剤基本料の点数を一部区分除いて3点プラスになった点です。

一方で、「一定の機能を有する薬局の体制の評価」として、地域支援体制加算が一律でマイナス7点、その他、新設点数がいくつか 設定されています。

地域支援体制加算のマイナスの影響は非常に大きいものの、その他の点数含めて しっかりと基本料の加算を取りきることができれば、プラスマイナス0もしくは若干のプラスを目指せる点数体系となっています。

2024年3月5日 厚生労働省「令和6年度診療報酬改定の概要【調剤】」より抜粋

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調剤基本料(本体)の見直し

前述の通り、調剤基本料においては一律で3点増が基本となっています。

この3点増は、40歳未満の薬剤師及び事務職員の賃上げを意図した点数増としています。 

しかし、全ての薬局においてプラスになるわけでなく、次の通りマイナスとなる薬局もございます。

・同一敷地内薬局への更なる適正化
・調剤基本料2の算定対象となる薬局の拡大

2024年3月5日 厚生労働省「令和6年度診療報酬改定の概要【調剤】」より抜粋

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同一敷地内薬局への更なる適正化

同一敷地内薬局において、非常に厳しい適正化措置が図られています。特別調剤基本料は、新たに区分A 及び B が設定され、特別調剤基本料A(7点→5点)はいわゆる同一敷地内薬局、 特別調剤基本料B(7点→3点)は 調剤基本料の届出がない薬局、とされ両者ともに点数が引き下げられています。

特別調剤基本料に該当する薬局には、基本料の点数減に留まらず、 各種加算の減算・算定不可点数も設定され、厳しい報酬体系が強いられることになりました。

薬局に留まらず、同一敷地内薬局を誘致する医療機関側にも厳しい措置が図られています。

2024年3月5日 厚生労働省「令和6年度診療報酬改定の概要【調剤】」より抜粋

1ヶ月あたりの処方箋交付が平均4,000回を超える医療機関で、いわゆる 同一敷地内薬局でその医療機関の集中率が9割を超える薬局がある場合、処方箋料の評価が引き下げられることになります。

これらの影響により、今後の同一敷地内薬局の新規開局に一定程度の歯止めがかかると考えられます。

本改定に至る背景として、一時期同一敷地内薬局を有するグループ全体に対して一律で点数を引き下げる対応が検討されていました。 最終的には今回の改定で見送りとなったものの、答申書附帯意見で 「引き続き検討すること」とされ、同一敷地内薬局を有するグループの評価の在り方について、今後中医協にて議論される見込みです。

■特別調剤基本料A・Bの比較表
特別調剤基本料5点特別調剤基本料3点
要件概要いわゆる同一敷地内の薬局調剤基本料の施設基準届出がない薬局
届出必要不要(届出が無しで自動適用)
集中率特別な関係有りの医療機関 集中5割超無し
薬剤料減額7種類以上の内服薬(特に規定するものを除く)の調剤を行った場合 90/100に相当する点数
減算地域支援体制加算、
後発医薬品調剤体制加算、
在宅薬学総合体制加算 10/100
無し
算定不可点数
■連携強化加算
(特定の医科点数届出の医療機関)
■服薬管理指導料
 特定薬剤管理指導加算2、吸入薬指導加算
■かかりつけ薬剤師指導料
 特定薬剤管理指導加算2、吸入薬指導加算
■服用薬剤調整支援料2
■外来服薬支援料
■調剤後薬剤管理指導料、服薬情報等提供料
(特別な関係の医療機関以外は可)
■調剤基本料 全ての加算
■調剤管理料
■服薬管理指導料
■かかりつけ薬剤師指導料
■かかりつけ薬剤師包括管理料
■外来服薬支援料
■服用薬剤調整支援料
■在宅患者訪問薬剤管理指導料
■在宅患者緊急訪問薬剤管理指導料
■在宅患者緊急時等共同指導料
■退院時共同指導料
■服薬情報等提供料
■調剤後薬剤管理指導料
■在宅移行初期管理料

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調剤基本料2の算定対象となる薬局の拡大

調剤基本料 2の算定対象となる薬局が拡大されます。

これまで同一建物内にある医療機関の処方箋受付は合計して4,000回超の場合、基本料2に区分される扱いでした。

しかし、同一建物ではなく薬局の近隣に医療機関が多く存在する場合で、総受付回数が4,000回を超えるものの、それぞれの受付回数が少なく集中率が分散されるケースは、基本料2に該当せず、 基本料1の扱いでした。

このケースは、本質的には同一建物内の立地と変わらないものの基本料1が算定できることが問題視され、本改定で見直しの対象となりました。

具体的な改定内容は、受付4,000回超で上位3つの処方箋の集中率合計で7割超となった薬局は基本料2とする扱いに変更されています。

中央社会保険医療協議会 総会(第568回)「総-2 調剤について(その3)(https://www.mhlw.go.jp/content/12404000/001172376.pdf)」を一部加工

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地域支援体制加算の見直し

地域支援体制加算は従来の4区分の枠組みから見直しはなかったものの、それぞれの区分における点数が一律マイナス7点、加えて 施設基準の厳格化が図られています。

 今回一律でマイナス7点は非常にインパクトのある引き下げにはなったものの、基本料本体の 賃上げ 財源の確保をする上で調整が図られた結果マイナス7点となったようです。

地域支援体制加算 単体だけではマイナスですが全体で見てみると加算をしっかり取れればプラスに持っていける点数体系となっています。

とはいえ、これまで地域支援体制加算の 届け出をしていた薬局が、加算1から加算2の区分引き下げや、届出辞退することになった場合、非常に厳しい経営が強いられます。

 改定内容を十分理解し、これまでの加算をキープする もしくはより高い区分の加算を届け出ることを目指して備える必要があります。

2024年3月5日 厚生労働省「令和6年度診療報酬改定の概要【調剤】」より抜粋

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全ての区分で共通する施設基準の変更点

地域支援体制加算の加算1から4において、いわゆる実績基準が加算ごとに設定されていますが、全ての加算区分において共通する施設基準があります。

次の表に、新たな施設基準における共通基準の内容・経過措置を取りまとめました。

※理解をしやすいように、施設基準の記載内容より要約して記載しています。詳細を確認したい場合は原文資料をご覧ください。

■ 地域支援体制加算 全区分共通基準一覧
施設基準 共通要件 ( 変更内容 、新設内容 )経過措置
(1)地域医療への貢献に係る【加算1・3】十分な実績 or【加算2・4】相当な実績令和6年8月31日
※調剤基本料1のみ
(2)医薬品等の供給拠点としての体制
  ア 十分な数(1,200品目)の医薬品の備蓄
  イ 医薬品在庫状況の共有、医薬品の融通令和6年8月31日
  ウ 医療・衛生材料 提供体制
  エ 麻薬小売業者の免許
  オ 集中率85%超の薬局は、後発品の調剤割合(50%以上→)70%以上令和6年8月31日
  カ (調剤された→)取り扱う医薬品の情報提供体制
(3) 休日、夜間 調剤・相談応需体制
  ア 一定時間以上の開局
  イ (24時間→)休日・夜間含む時間外調剤体制(輪番制含む)
  ウ 患者・家族からの相談応需体制
    (イ)夜間・休日を含む時間帯対応、対応できなかった場合 速やかに折り返し連絡体制
    (ロ)(担当者→)保険薬剤師の連絡先文書交付(※曜日・時間帯毎の連絡先明示削除)
    (ハ)連携薬局・自薬局の連絡先を外側掲示
  エ 行政・多職種(訪看追加)へ(24時間→)開局時間外の体制周知令和6年8月31日
(4) 在宅医療 連携体制
  ア 在宅療養を担う医療機関、訪問看護ステーションとの連携体制
  イ 保健医療・福祉サービス担当者との連携体制
  ウ 在宅実績 24回以上/年 ※同一建物患者2人以上含む
  エ 在宅患者訪問薬剤管理指導届け出、体制整備
(5) 医療安全に関する取組の実施
  ア PMDAメディナビ登録、活用
  イ 薬局機能情報提供制度 プレアボイド事例把握・収集 有
  ウ 副作用報告に係る手順書作成・報告体制
(6) かかりつけ薬剤師指導料届け出
(7) 患者ごとに、適切な薬学的管理を行い、かつ、服薬指導を行っている
(8) 管理薬剤師の薬局勤務経験・勤務時間・在籍要件
(9) 資質向上のための研修実施計画、研修実施体制
(10) プライバシー配慮体制
(11) 地域医療に関連する取組の実施
  ア 要指導薬品(48薬効群)および一般用医薬品の販売令和6年8月31日
  イ 健康相談等の健康情報拠点としての役割(掲示物の定め削除)
  ウ 緊急避妊薬の備蓄、相談調剤体制令和6年8月31日
  エ 敷地内禁煙
  オ たばこ等の販売禁止令和6年8月31日
(12) 実績数・受付回数は前年5月1日~当年4月末で判断、算定は当年6月1日~翌年5月末 ※
 ※令和6年9月1日以降継続算定する場合は、前年8月1日~当年7月末の実績・受付回数で判断 算定可能期間は、当年9月1日~5月末

【地域支援体制加算、連携強化加算及び在宅薬学総合体制加算】

問2 (情報周知に関する要件について)

地域支援体制加算、連携強化加算及び在宅薬学総合体制加算の施設基準において、
地域の行政機関又は薬剤師会等を通じて各加算の要件に示す情報を周知することとされているが、
どのように周知すればよいのか。

(答)各加算の施設基準において求められる機能等について、地域の住民や行政機関、
保険医療機関、訪問看護ステーション及び福祉関係者等が当該情報を把握しやすいよう、
市町村や地区の単位で整理し、周知することが求められるため、保険薬局においては、
当該薬局の所在地の地域でこれらの対応を実施することになる行政機関又は薬剤師会等と相談されたい。
また、このような情報は定期的に更新されている必要があり
さらに、都道府県単位で集約して周知されていることがより望ましい。
各加算に関して周知すべき情報としては、各加算の要件に基づき、例えば以下のようなものが考えられるが、
これらに限らず地域にとって必要な情報を収集及び整理すること。

○地域支援体制加算

(当該加算で求めている周知すべき情報)
休日、夜間を含む開局時間外であっても調剤及び在宅業務に対応できる体制に係る情報

(具体的な項目例)
・ 休日、夜間に対応できる薬局の名称、所在地、対応できる日時(開局日、開局時間)、
連絡先等(地域ごとに、輪番制の対応も含め、具体的な日付における休日、夜間対応できる薬局の情報を示すこと)

(中略)

なお、既にこのような情報を地域で整理し、ホームページで公表しているものの、
各加算で周知が求められる項目の一部が対応していない場合には、
当面の間は、対応できていない情報を追加的にまとめた一覧を公表するなどの対応

情報を補完することでも差し支えない。

【地域支援体制加算】

問5 (45薬効群の品目について)

地域支援体制加算の施設基準において、要指導医薬品及び一般用医薬品の販売は、
「48薬効群の品目を取り扱うこと」とされているが、
48薬効群の医薬品全てを薬局で備蓄しておく必要があるのか。

(答)そのとおり。購入を希望して来局する者の求めに応じて、
適切な医薬品が提供できるよう、薬局に必要かつ十分な品目を常備している必要がある

問6 (調剤併設店での備蓄について)

地域支援体制加算の施設基準における要指導医薬品及び一般用医薬品について、
保険薬局に併設される医薬品の店舗販売業(医薬品、医療機器等の品質、
有効性及び安全性の確保等に関する法律第25 条第1号に基づく許可を有する店舗をいう。)
において、これらの要指導医薬品等の全部又は一部を取り扱っている場合について、どのように考えればよいか。

(答)当該保険薬局において要指導医薬品及び一般用医薬品の販売を求めていることから、
販売にあたっての相談応需や指導、情報提供等の対応は薬局で行うことが必要であるが、
薬局で要指導医薬品等を販売できる体制であれば、これらの品目を併設される医薬品の
店舗販売業に備蓄しているものを用いることは差し支えない

なお、要指導医薬品等の販売にあたっては、購入を希望して来局する者が、
症状等に応じた医薬品が適切に選択できるよう、また、当該薬局を利用している
患者であれば当該患者の服薬状況を一元的、継続的に把握することを前提に、
必要な指導及び情報提供を行うこと。

問7 (たばこの定義について)※省略

問8 (緊急避妊薬の調剤実績について)

地域支援体制加算について、緊急避妊薬を備蓄するとともに、
当該医薬品を必要とする者に対する相談について適切に応需・対応し、
調剤を行う体制を整備していることとされているが、届出にあたっては調剤の実績が必要となるか。

(答)不要。なお、当該医薬品を必要とする者が来局した際に直ちに対応できる
体制を常に整備しておく必要がある。

問9 (緊急避妊薬の研修について)

地域支援体制加算の施設基準において、「オンライン診療に伴う緊急避妊薬の調剤等の
対応も適切に行えるようにするため、「「オンライン診療の適切な実施に関する指針」を
踏まえた緊急避妊に係る診療の提供体制整備に関する薬剤師の研修について(依頼)」
(令和2年1月17 日医薬・生活局総務課長通知)に基づく緊急避妊薬を調剤する
薬剤師に対する研修を受講していることが望ましい。」とされているが、
研修を受講せずに緊急避妊薬を備蓄している場合であっても要件をみたすか。

(答)オンライン診療に伴い薬局で緊急避妊薬を入手する必要がある者も想定されるため、
可能な限り都道府県薬剤師会が開催する研修を受講しておくことが望ましい
なお、都道府県薬剤師会における研修の実施状況により受講することが困難である場合には、
今後研修が開催された場合の薬剤師の受講計画を作成しておくこと。
また、緊急避妊薬は単に備蓄していれば要件を満たすものではなく、利用者への相談体制の整備や、
地域における相談窓口等を把握しておくことが必要である。

問10 (年1回の輪番制参加の可否について)※省略

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実績基準の主な変更点

前述の共通の施設基準(1)において、加算区分ごとに異なる実績が定められています。

本改定において主に変更されたポイントは調剤基本料1の薬局が対象となる加算1と2で、求められる実績がより厳しい水準に変更されています。

なお、 調剤基本料1以外の薬局が対象となる加算3と4で求められる実績については、「小児特定加算 1回以上」の実績項目が追加されたのみで、その他変更はございません。

では、次に変更された加算1と2の新たな実績基準詳細をご紹介いたします。

地域支援体制加算1・2の新たな実績基準

加算1・2では、次表の①~⑩の項目 の中から加算毎に定められた数の実績を選択することができます。

 加算1は、「④を含む3項目以上」、
 加算2は、「8項目以上」
としています。

両加算ともに、項目は選択できるものの、求められる実績項目数は増えているため、届出難易度が高まったと言えます。

■ 地域支援体制加算1・2 実績実績基準一覧
実績要件(年間)
※⑩は薬局あたり、①~⑨は受付1万回/年あたり、
1万回未満は1万回とみなす
加算1
32点
加算2
40点
① 時間外・夜間休日等加算 40回以上④を含む3項目以上8項目以上
② 麻薬を調剤した時の加算 1回以上
③ 重複投薬・相互作用防止加算 20回以上
④ かかりつけ薬剤師指導料(包括管理料) 20回以上
⑤ 外来服薬支援料1 1回以上
⑥ 服用薬剤調製支援料1及び2 1回以上
⑦ 在宅(単一建物) 24回以上
⑧ 服薬情報等提供料 30回以上
⑨ 小児特定加算 1回以上 (新設項目)
⑩ 多職種連携会議 1回以上

ただし、加算2は、 単純に求められる項目数が増えただけではございません。

選択数は増えた分、元々の実績9項目で求められていた実績数が少なくなっています。

1つ1つの 求める実績は決して高すぎる ハードルではないものの、 加算2 においては猶予できる項目は2つのみしかなく 全体的に実績を満たすことができる薬局しか届出できない基準となっています。

加算2 実績要件2022年改定~2024改定~
① 時間外・夜間休日等加算 400回以上40回以上
② 麻薬を調剤した時の加算 10回以上1回以上
③ 重複投薬・相互作用防止加算 40回以上20回以上
④ かかりつけ薬剤師指導料(包括管理料)40回以上20回以上
⑤ 外来服薬支援料1 12回以上1回以上
⑥ 服用薬剤調製支援料1及び2 1回以上1回以上
⑦ 在宅(単一建物) 24回以上24回以上
⑧ 服薬情報等提供料 60回以上30回以上
⑨ 小児特定加算 (新設項目)1回以上
⑩ 多職種連携会議5回以上1回以上
実績要件比較

【地域支援体制加算】

問11 (在宅以降初期管理料実績について)

地域支援体制加算の施設基準において、これまで患者宅で残薬の調整等を行った
場合は外来服薬支援料1を算定することで、地域支援体制加算の実績要件に含めることができたが、
在宅移行初期管理料を算定した場合に、外来服薬支援料1に相当する業務として
地域支援体制加算の実績要件に含まれるような取扱いはできないのか。

(答)できない。
在宅移行初期管理料は、地域支援体制加算の実績要件に含まれない。

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施設基準届出の実績判定期間、届出時期および算定期間

令和6年度診療報酬改定では、施行時期が4月から6月に変更され、届出の時期等の扱いも変更されます。 次に改定後の通常スケジュールおよび令和6年度改定 経過措置を踏まえた特別スケジュールにおける、施設基準届出の実績判定期間、 届出時期及び算定期間について整理してお伝えします。

● 改定後の通常スケジュール

施行する時期が2ヶ月後ろ倒しになることで、 届出に関するスケジュールも全体的に2ヶ月後ろ倒しになります。

<実績判定期間>

 (従来)前年の3月1日から当年2月末     → (今後)前年5月1日から当年4月末

<届出時期>

 (従来)当年3月中(4月の最初の開庁日まで)→ (今後)当年5月中(6月の最初の開庁日まで)

 ※令和6年は5月2日から6月3日までに届けることが必要

<算定期間>

 (従来)当年 4月1日から翌年3月末     → (今後)当年 6月1日から翌年5月末

上記変更の影響により、施行前の4月・5月の算定区分は「令和6年3月末までの区分で引き続き 算定可」としています。

ただし 、「区分が変更する場合は届出が必要」「変更あれば3月中に届出」※としているためご注意ください。

2024年3月5日 厚生労働省「令和6年度診療報酬改定の概要【調剤】」より抜粋

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●令和6年度改定 経過措置を踏まえた特別スケジュール

経過措置の設定されている加算(主に、「地域支援体制加算」「連携強化加算」)で経過措置を適用する場合には、前述のスケジュールとは異なります。

地域支援体制加算では、「令和6年3月末までの区分で引き続き算定可」の扱いは、前述の通りで同様であるものの、5月中の届け出は不要としています。また「5月末時点の区分による算定が8月末まで可能」とし、 9月以降引き続き算定する際には、新基準に基づいた届出を8月中(翌月最初の開庁日9月2日まで)に届け出るよう求めています。

その実績の元となる実績は令和5年8月1日から令和6年7月末まで1年間としています。

※連携強化加算の経過措置を適用する場合は、令和6年12月中(翌月 最初の開庁日令和7年1月6日まで)に届け出るよう求めています。

2024年3月5日 厚生労働省「令和6年度診療報酬改定の概要【調剤】」より抜粋

【施行時期後ろ倒し】

問1(4月5月に施設基準届出時の経過措置について)

令和6年度の診療報酬改定において、施行時期が令和6年6月1日に変更になったが、
令和6年4月又は5月に新規の届出又は変更の届出を行った場合における、
令和6年6月以降の経過措置の取扱い如何。

(答)令和6年4月以降に令和6年度診療報酬改定前の施設基準による
届出を行った保険医療機関又は保険薬局については、
令和6年度診療報酬改定における施設基準(以下「新施設基準」という。)の
経過措置であって、令和6年3月31日において現に届出を行っていることを
要件としている経過措置の対象にならない。

問2 (4月5月の届出後の6月の届出対応について)

問2 問1について、令和6年4月又は5月に新規の届出又は変更の届出を行った
保険医療機関又は保険薬局における令和6年6月1日以降の届出についてどのように考えればよいか。

(答)それぞれ以下のとおり。
① 施設基準で改正がない場合(名称のみが改正された場合を含む。)又は
施設基準が改正された場合であって届出が必要でない場合
令和6年6月3日以降に再度届出を行う必要はない。

② 施設基準が改正された場合であって届出が必要な場合
(経過措置が置かれているものであって、令和6年3月31日において
現に届出を行っていることを要件としている場合を含む。)
令和6年6月3日までに新施設基準による届出を行う必要がある。
なお、当該届出を行った保険医療機関については、
経過措置終了時期(例えば令和6年10月1日)の再度の届出は必要ない。

【地域支援体制加算】

問4

令和6年度診療報酬改定前の地域支援体制加算
(以下本問において「旧加算」という。)の届出を行っていた保険薬局について、
調剤基本料の区分が令和6年6月から変更となる場合であって、
新たに令和6年度診療報酬改定後の地域支援体制加算(以下本問において「新加算」という。)
の届出を行う場合、新加算に係る経過措置の適用をどのように考えればよいか。

(答)

変更後の調剤基本料に対応した新加算の施設基準に係る経過措置が適用される。
(例えば、令和6年5月時点で調剤基本料1及び旧加算1の届出を行っていた保険薬局が、
令和6年6月から調剤基本料2に変更となる場合は、新加算3又は4の施設基準の経過措置が適用されることになる。)

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