電子処方箋&オンライン資格確認を患者のアウトカム拡大に活用しよう!

1/26から電子処方箋がスタートしました。厚労省の発表によると「3/5段階で病院6軒、診療所60軒、歯科3軒、薬局896軒が運用開始できる」と届出をしているようです。またオンライン資格確認もいくつか猶予措置はありながらも、23年4月より原則義務化となり、電子化の動きは本格的になりつつあります。


薬局にとって電子処方箋の取り組みの本質は何でしょうか?厚労省HPの「電子処方せん(国民向け)」のページでは、「電子処方せんのメリットとは?利用方法は?」として「・・・複数の医療機関・薬局をまたがる過去のお薬情報を医師・薬剤師と共有すること」で、「同じ成分のお薬をもらうこと(重複投薬)や良くないお薬の飲み合わせを防ぐことができ、安心安全な医療に繋がる」としています。ここから考えますと、「薬剤情報を共有するデータベースをもとに重複投薬・良くない飲み合わせを防ぎ、患者アウトカムの向上を図ること」と言えるでしょう。


この重複投薬等の事例は意外と多くあるようで、22年10月13日に開催された社会保障審議会医療保険部会には図のような資料が発表されています。これによると「同月内に同一薬を3医療機関以上から処方された患者」が20年度には0.07%(1万人に7人)あり、「65歳以上の患者で6剤以上の薬剤が処方されている割合」は32.18%(3人に一人)となっています。6剤以上の薬剤を服用していると副作用の発現率が高くなるというデータもあり、多くの患者の健康被害の要因になっているようです。厚労省としては、薬局・薬剤師に電子処方箋等を活用してこれらの問題解決の促進を求めているのでしょう。



弊社とお付き合いのある薬局で「オンライン資格確認情報などを活用し、重複・多剤投与等の確認を行い、患者アウトカムの向上に寄与する」というテーマを店舗の課題として取り上げていました。オンライン資格確認なのでタイムラグのある状況ですが、その活用を通じ
 ・近隣の耳鼻科が院内処方の為、お薬手帳に記載がない薬を服用している患者が多くいることが判明
 ・マイナンバー受付による情報をもとにより具体的な質問を行うことで併用薬を新たに確認でき、それによる重複の解消の実現
 ・6種類以上の薬剤の確認のより正確な実施
といったことが取り組めたそうです。結果として重複投薬、調剤管理加算、服用薬剤調整支援料の算定増も生まれました。これまでも「しっかりやってきた」と思っていたことの抜けモレが見つけられたようです。


電子処方箋が本格的に普及すると、重複投薬については医師の処方箋発行段階での解消が主になるかもしれません。ポリファーマシーの解消は単純に薬剤数が多いだけで削減するわけにはいかず、患者、医師との調整役としての薬剤師の機能が大いに求められるはずです。


電子処方箋やオンライン資格確認は、現場にとっては業務手順等も変わり負担増の側面もあるかもしれませんが、この変化を患者アウトカムの拡大のためのツールとして活用することが重要でしょう。

 

2023.03 株式会社ネグジット総研 経営コンサルタント 久保 隆            

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