持続的な成長力を高めるために・・・「経験学習」を深める!

持続的に地域に選ばれる薬局になるためのカギの一つには、自律型人材の育成が挙げられます。この自律型人材を育成し、持続的な成長力を高めるために活用したい視点が「経験学習」という考え方です。今回はこの「経験学習」について取り上げます。

「経験学習」とは、経験を通じて学んだ内容を次の経験に活かすプロセスで、デービッド・コルブ(ケース・ウェスタン・リザーブ大学名誉教授)により「経験学習モデル」として提唱されました。コルブは、「具体的経験」「内省的観察」「抽象的概念化」「能動的実践」の4つのステップからなるサイクルを繰り返し、「経験学習」が行われるとしています。(図参照)


「具体的経験」

は、本人が関わる分野や業務内容について自ら考えて行動することです。単にマニュアルや上司から言われたことを考えずに行動することからは、経験学習の効果を得ることはできません。その目的や目標・背景等を理解した上で受け身ではなく自覚的に行動することが最初のボタンになります。

「内省的観察」

は、その経験を多様な観点から内省します。その際には当初の目的・目標をモノサシの日とし、客観的事実とその際に生じた感情も含めた主観的事実を観察し、振り返るのです。

「抽象的概念化」

では、得られた上記の気づきを、ほかの状況でも応用し再現できるように自分なりの仮説や理論に落とし込みます。自己だけなく他者、自店だけでなく他店でも活用できるような教訓を引き出します。この際に「内省的観察」で得られたことをしっかり俯瞰することと、目的・目標の実現を再現するためのポイントが何かをしっかり深められるかが重要です。
※これが「実」でできているかがミソになります。

「能動的実践」

は、得られた仮説や理論を新しい状況下で実践に試すことです。「抽象的概念化」で得られた気づきは、まだ仮説の状態です。ほかの業務やほかの店舗に応用し、効果を試してみます。そのことはあらたな「具体的経験」につながり、その定着・進化・改善が促進されます。

 

実は、このコルブの「経験学習モデル」は薬歴管理のSOAPの視点と共通する点があります。
   主観的データと客観的データで見ることは「内省的観察」
に通じるものですし、
  それをもとにアセスメントすることは「抽象的概念化」
と類似し、
 それを踏まえて具体的なプランに落とし込むのは「能動的実践」
に繋がります。

患者に対する働きかけと同じような視点を自己・自店・自社の課題にも持ち、自己の成長につなげることが、大事なのです。

課題推進の進捗管理や取りまとめの際、部下への指導育成の働きの際にこの視点を活用してみてください。

 2022.12 株式会社ネグジット総研経営コンサルタント 久保 隆


この「抽象的概念化」能力を高めるためには、部分最適ではなく全体最適(空間的&時間的)で物事を見る「システム思考」を身につけることが重要です。そのためにぜひ下記の関連記事に記載している講座をご活用ください。