2021年も残りわずかとなってまいりましたが、本年の最後に筆者達の実施する薬局への経営支援の全体像を「真に地域に選ばれる薬局」になるための構造づくりとの関係で紹介させていただきます。
下図は、その構造を表したものです。
この図の矢印は概ね左から右に流れていますが、まずは一番右から見てください。クライアントである薬局が最終的に実現していきたいのは「持続可能な地域・社会の実現」です。これは、薬局の努力だけでは達成できるものではありませんが、薬局もその実現への一助を果たすことが求められます。そのために、「ビジネスモデルを転換し、患者満足・地域満足の実現」を目指します。その推進のための方向性として「業務効率化の推進」「アウトカムの明確化」「顧客関係性の強化」を図り、またその実現のために薬局における人材・組織の「成長・変革・学習」が必要で、その土台となる組織開発・人材育成である「好循環を生み出すチームの構築」と「自立・自律型人材育成」が不可欠となってくる関係です。こうした土台を持続的に強化するには、スタッフが自己に「存在価値・成長感・達成感」を得、取り組みに対し高い「コミットメント」を持っていることが必要です。これらは、「持続可能な地域・社会の実現」や「患者満足・地域満足の実現」へ自らが関与していることを実感することにより醸成されます。これらが好循環として回り出すと「真に地域に選ばれる薬局」の実現が構造的となるのです。
この構造を生み出すための弊社の経営支援の手法が「戦略的中期経営計画策定支援」「戦略的中期経営計画推進支援」になります。これらを生み出すための支援は、「成功要因の抽出」、「営業構造および商品力強化」、そのための「組織構造の構築」といったステップを踏みます。
クライアントのニーズが、こうした全体的な支援ではない場合は、重点課題である「業務効率化の推進」「アウトカムの明確化」「顧客関係性の強化」を推進するための「プロジェクト推進支援」といった形でのサポートや、その内容を研修という位置づけである「アクションラーニング型研修」といった手法で支援させていただくケースもあります。
また、これらの推進の土台となる組織開発であるチーム構築としての風土づくりとして、「志を育成する力」「共創的に対話する力」「複雑な出来事を構造で理解する力」を高めることをオフサイト・ミーティングといった手法により「組織開発推進支援」を行うのです。
もう一つの土台である人材育成のソフト面である研修として「マインドの醸成研修」「スキル育成研修」、ハード面の「人事処遇制度(賃金・人事評価・運用制度)構築支援」といった内容があります。
こうした支援をクライアントの与件・状況に合わせて組み合わせて、「真に選ばれる薬局」への好循環を作り出すことをサポートしています。これらの視点を知っておくことが、皆様の自社の経営改善・革新を進められる際のご参考になれば幸いです。
2021.12 株式会社ネグジット総研経営コンサルタント 久保 隆