令和4年度調剤報酬改定の構造的転換を見据える
~調剤管理料の新設の意義を受け止めよう!~

令和4年度調剤報酬改定では、改定のポイントの一つとして「調剤業務の評価体系の見直し」が挙げられています。今回は、その点を掘り下げてみます。 

この点は、2015年に「患者のための薬局ビジョン」で提起された「対物業務から対人業務へ」の流れを調剤報酬上に反映した構造的転換と言えるものです。従来の調剤料・薬歴管理指導料を薬剤調整料・調剤管理料・服薬管理指導料に組み替えています。ここで注目をしておきたいのが、対物業務と対人業務に体系を見直す上でそれを単純に2つに分けるのではなく、対物業務⇒薬剤調整料、対人業務⇒調剤管理料&服薬管理指導料として、3つに分けたという点です。このことに厚労省からのメッセージがあるのではないかと筆者は感じています。といいますのも、「対人業務≒対患者への働きかけの業務≒服薬指導」といった捉え方をしている現場が少なからず見受けられるからです。もちろん、それ自体概ね間違いではないのですが、今回の設定は、そうした風潮に対して「薬学的分析も対人業務の一環だよ」というメッセージと考えられます。調剤管理料は「服薬状況等の情報を収集し、必要な薬学的分析を行った上で、薬剤服用歴への記録その他の管理を行った場合」算定できるとされており、薬学的分析に対して別建ての点数とをして新設されたのです。

この薬学的分析の重要性を、より鮮明に表しているのが調剤管理加算でしょう。「複数の医療機関から6種類以上の内服薬が処方された患者が薬局を利用する場合等において、薬学的分析を行った場合の評価を新設」とされたものです。ポリファーマシーについては、3月 10 日開催の 第2回薬局薬剤師の業務及び薬局の機能に関するワーキンググループの資料にもその影響が再掲されており、「75歳以上の高齢者に処方されている薬剤種類は、約31.7%で6種類以上」、「高齢者で6種類以上の投薬で有害事象が増加したというデータがある」とされています。調剤管理加算の新設により、ポリファーマシー対策について構造的に実施できるようにされたのです。(下図)

いずれにしても、薬学的分析を行うことを調剤管理料として別建ての対人業務とし、その典型例としてポリファーマシー対策の点数を設定したことは、「薬学的分析があってこそ薬剤師による対人業務に価値がある」というメッセージではないかと筆者は受け止めています。「そんなことは当たり前ではないか」と思われるかもしれませんが、その当たり前のことがしっかりなされていることを「見える化」することが求められているのではないでしょうか?特にポリファーマシー対策において具体的アウトカムの実現が求められています。

ぜひ、みなさんの会社・店舗でもそのような視点で検討してみてください。

2022.04 株式会社ネグジット総研経営コンサルタント 久保 隆

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