企画趣旨
先月、厚生労働省より『最近の調剤医療費(令和6年度)』が公表されました。その内容を見ると、令和6年度(2024年度)の処方箋枚数は10年前の2015年度に比べて増加(109.1%)しているものの、1店舗当たりの処方箋枚数は減少(94.9%)、1枚当たり処方箋単価は微減(98.2%)と推移しています。また、薬価差(平均乖離率)は10年前の約6割の水準5.2%にまで縮小しており(2024年12月4日 中医協資料より)、調剤薬局市場が成熟段階に入ったことは明白です。
こうした中、業界全体では大手チェーンによるM&Aの促進かつ小規模店の譲渡・閉局も増加しています。さらに、調剤ロボットやAI薬歴システムを活用した効率化が進展するとともに、ドラッグストア各社も調剤事業を拡大し、市場シェアを着実に伸ばしています。市場構造の変化は不可逆的であり、従来の延長線上の経営では持続的成長を維持することが難しい局面にあります。
地域密着型の薬局が今後も地域で存在価値を発揮し続けるためには、短期的な報酬改定対応や日々の課題対応に終始するのではなく、経営課題を構造的に解決する好循環を生み出すために、組織全体として継続的に変化を生み出す仕組みを構築することが求められます。
そこで今回のセミナーでは、地域に根ざした経営を展開し、“健康寿命延伸に貢献しながら選ばれ続ける薬局”を実現されている
株式会社ぼうしや薬局 代表取締役 松岡 洋平 氏
を講師にお招きし、同社が実践されている経営改革と組織づくりの具体的プロセスを共有いただきます。
ぼうしや薬局では、地域社会に根ざした取り組みを生み出す好循環づくりを念頭に「持続的成長と地域価値の両立」を推進されています。
●地域との関係性強化と健康支援の仕組みづくり
行政後援の「ぼうしやフェスタ」(約300名参加)、
年間約100回に及ぶ地域公民館での健康セミナー開催、
常設健康ステーションおよびSNS発信による地域住民との関係深化。
●経営幹部による経営方針策定と戦略実行体制の確立
年2回の経営合宿(オフサイトミーティング)による中期方針の策定と共有。
●学術とマネジメントを融合した人材育成体系
社内学術大会(34演題発表)を通じた人材成長の可視化、
クラウドシステムを活用した学びの仕組み化、
成長ステップを踏まえた管理職育成の体系化。
市場環境が厳しさを増すなかでも、ぼうしや薬局は「地域価値の創出」と「組織の持続的成長」を両立されています。
本講演では、その背景にある経営思想と仕組みづくりの実際を具体的にご紹介いただきます。
地域密着型薬局の将来像を描き、次の一手を検討する上で極めて示唆に富む内容となるはずです。ぜひこの機会にご参加ください。
プログラム
1.オリエンテーション
2.~本セミナーの企画意図~
3.講演
好循環のシステム(構造)の醸成による患者・顧客・地域に選ばれる薬局づくり ~ぼうしや薬局の地域密着戦略~
株式会社ぼうしや薬局 代表取締役 松岡 洋平 氏
4.質疑応答形式のパネルディスカッション
5.クロージング
※プログラムは、予告なしに変更を加える可能性がございます。予めご了承ください。
講師
株式会社ぼうしや薬局 代表取締役 松岡 洋平 氏
<講師略歴>
平成15年3月 京都薬科大学卒
平成15年4月 武田薬品工業株式会社入社
平成16年10月 退職
平成16年10月 株式会社ユーピーディー(現ゆう薬局グループ)入社
平成20年2月 退職
平成20年2月 株式会社ぼうしや薬局入社
平成27年8月 代表取締役 就任