2023年度臨時改定内容が答申
2023年12月23日の中央社会保険医療協議会・総会にて、厚生労働省よりオンライン資格確認(オン資)や医薬品の安定供給問題に関する特例対応の方針が示されました。
今回示された方針は緊急でトップダウンで示された内容であったものの、最終的には中医協の答申として固まっております。
本記事では、特に薬局に関わる内容をピックアップいたします。
主な答申内容は?
今回の臨時改定の項目は、「オンライン資格確認」「医薬品の安定供給問題」に関する内容で、次の3つの内容について答申がまとめられています。
- 医療 DX の基盤となるオンライン資格確認の導入の原則義務付けに係る経過措置について
- 医療 DX の推進のためのオンライン資格確認の導入・普及に関する加算の特例措置
- 医薬品の安定供給問題を踏まえた診療報酬上の特例措置
いずれにせよ、今回の改定は薬局経営においてプラスに働く内容です。
調剤に関連する点数項目は、「医療情報・システム基盤整備体制充実加算」と「地域支援体制加算」に変更が加えられています。
「医療情報・システム基盤整備体制充実加算」は時限的に+1点、
オンライン資格確認に関する評価は、2022年10月に「医療情報・システム基盤整備体制充実加算」へ変更されたところではありますが、更に推進する目的で時限的に特例措置を設けることになりました。
調剤に関しては、
マイナンバーを利用しない場合の加算点数を、
3点(6月に1回)⇒ 4点(6月に1回)
へ変更する措置が決定されています。
※マイナンバーを利用する場合の加算点数は、変更はなく2点で据え置きです。
本加算の点数増は前述の通り時限的なもので、2023年4月1日~12月31日の期間に限るものとされています。
また、多くの薬局において影響は少ないと思われますが、本加算要件の特例が設定されています。
元々の要件にある「オンライン請求」が未実施の薬局であっても、2023年12月31日までに開始する旨の届出があれば要件を満たすという経過措置が設定されています。
(画像をクリックすると新しいタブで拡大表示されます。)
「地域支援体制加算」は、「後発医薬品調剤体制加算」次第で +1点 or +3点
昨今の医薬品供給が不安定であることを背景に、時限的な特例措置として「地域支援体制加算」が変更されました。
追加の施設基準を満たしていれば「後発医薬品調剤体制加算」の算定状況に応じた点数が追加される内容が加えられています。
追加点数詳細
- 後発医薬品調剤体制加算 1or2 の場合 ⇒ +1点
・地域支援体制加算1 39⇒40点 ・地域支援体制加算3 17⇒18点
・地域支援体制加算2 47⇒48点 ・地域支援体制加算4 39⇒40点
- 後発医薬品調剤体制加算 3 の場合 ⇒ +3点
・地域支援体制加算1 39⇒42点 ・地域支援体制加算3 17⇒20点
・地域支援体制加算2 47⇒49点 ・地域支援体制加算4 39⇒42点
追加施設基準
イ.地域支援体制加算に係る届出を行っている保険薬局であること。
ロ.後発医薬品調剤体制加算に係る届出を行っている保険薬局であること。
ハ.当該薬局の存する地域の保険医療機関又は保険薬局(同一グループの保険薬局を除く。)に対して在庫状況の共有、医薬品の融通などを行っていること。
ニ.ハの取組に関する事項について、当該保険薬局の見やすい場所に掲示していること。
おわりに
2022年年末に突如入ってきた改定情報でしたが、皆様はしっかり把握されていましたか?後発医薬品調剤体制加算2と3の間際にある薬局は、2023年4月には何としてでも加算3を算定できるよう、改めて薬局内に周知されることをお勧めいたします。
ご紹介した内容は調剤が中心ではありましたが、医科部分もしっかり把握したい方は資料原文をご覧ください。
原文資料は次の診療報酬改定情報ページで取りまとめています。