10月に入り、人事評価制度を導入されておられる企業では評価シートの配布等が始まっているのではないでしょうか?人事評価制度を導入することで、社員のモチベーション向上・組織の活性化につなげようとする法人は少なくないのですが、そうなっていない法人もまた少なくありません。(※日経BPコンサルティングの調査では「人事評価制度」に対して62.3%の社員が不満を持っている。2018年調査)
そこで、今回は、人事評価制度によって企業の持続的な成長=好循環を生み出すためのポイントについて見て参ります。
下図は、人事評価制度によって成長の好循環を生み出している状態を表したものです。
「期待される人材像・キャリア・取り組むべき課題・重点となる日常業務の明確度」⇒「課題等の実施度合」⇒「方針に基づく成果」⇒「従業員のモチベーション」⇒「課題等の実施度合」(好循環1)をベースに、「方針に基づく成果」⇒「得られた成果の共有度」⇒「従業員のモチベーション」(好循環2)、「方針に基づく成果」⇒「得られた成果の共有度」⇒「期待される人材像・キャリア・取り組むべき課題・重点となる日常業務の明確度」(好循環3)と二重・三重の好循環でその成長の促進を図っています。
この好循環の持続性を高めるための施策として、次のようなものが挙げられます。
ポイント①に働きかけるものとして、「求められる人材像」「キャリアプラン」「評価項目」の明示、ポイント②③で機能させるには「個別レビュー」、ポイント④で「フィードバック面接」、がレバレッジ・ポイント(テコの力点)となる施策です。
加えて、この構造を支えるために「方針に基づく成果」⇒「会社の成長」⇒「経済処遇水準」とつなげ「従業員のモチベーション」を下げないように悪循環防止として「賃金の変動費化での処遇」(ポイント⑤)を図ることが重要といえるでしょう。
こうした施策を自社の人事評価制度で機能させ、持続的な成長の好循環を生み出す人事評価制度の構築を検討してみてください。
2022.10 株式会社ネグジット総研経営コンサルタント 久保 隆