薬局経営コンサルティング
年度末が近づき、4月の新入社員入社を控えて、その受け入れ準備に追われている会社も多いでしょう。この時期は、仕事の基本を改めて確認する良い機会です。今回は、「仕事の基本」について考えてみましょう。
仕事の基本にはさまざまな側面がありますが、保険薬局の現場に関わる私たちが特に重要だと感じるのは、「目的・目標を踏まえて業務を行う」ことです。しかし、実際には本来の目的を忘れ、形式的な要件を満たすことに追われてしまう場面が少なくありません。

<目的・目標を忘れがちになる理由>
「目的・目標」を意識しづらくなる要因として、主に以下のような点が考えられます。
● 目の前の業務に追われる(忙しさに埋もれる)
業務量が多すぎると、考える余裕がなくなり、目の前のタスクをこなすことが目的になりがちです。例えば、「患者を待たせない」ことを優先しすぎるあまり、「本来の目的」を見失い、ルーティンワーク化してしまうケースがあります。その結果、目的を考えずに作業をこなし、「構造」として定着してしまう懸念もあります。
● 目的・目標を「自分ごと化」できていない
目的や目標を意識せず、「上司や会社の指示」として受け取ってしまうケースもあります。目的が曖昧なまま仕事を与えられると、「作業」としてしか認識されず、主体性を持って取り組むことが難しくなります。
● 目的を考える習慣がない
学生時代の勉強やアルバイトでは、「こなすこと」が重視される傾向があり、目的を意識しながら仕事をする経験が不足しがちです。また、上司や本部が「言わなくてもわかるだろう」と目的を伝えず、仕事のやり方だけを指示する場合、考える習慣が育ちません。
<環境や仕事の進め方も影響する>
「目的・目標を忘れる」のは、個人の意識の問題だけではなく、環境や仕事の進め方にも影響されます。薬局現場では、業務の煩雑化、効率化の推進、点数要件の重視、患者の顕在ニーズへの対応などが絡み合い、悪循環が生じる恐れもあります。
目的・目標を明確にし、共有することは、仕事の成否の判断、進捗の確認、業務改善・革新の指針となります。組織として、目的・目標を明示し、定期的に確認する習慣を持ち、組織風土としていくことをおすすめします。その第一歩として、新入社員を迎える機会を活用してみてはいかがでしょうか。
2025.03 株式会社ネグジット総研 経営コンサルタント 久保 隆