2022年度診療報酬改定の議論が進められ、保険薬局に対し様々な重点課題が提起されています。こうした課題を推進していく際には阻害要因を乗り越えていくことが必要です。今回は、その阻害要因について見ていきましょう。
東京大学大学院情報学環特任助教の安斎勇樹氏(株式会社MIMIGURI代表取締役Co-CEO)と、ウェブメディア京都大学 総合博物館 情報発信系 准教授の塩瀬隆之氏らの研究を踏まえると、こうした阻害要因は下記のように整理できます。
- チーム内で率直な意見交換のできる関係性が構築できていない。
- チーム内で対話・検討の機会がとれていない。 ・・・①②チームの関係性
- 各自の固定観念(思い込み)が強固である。
- 目標が自分ごとになっていない。 ・・・・③④個人のマインド面
- 課題に関する知識・スキルが不足している。
- 時間を作ることができていない。 ・・・⑤⑥個人のスキル面
こうした阻害要因は、顕在している場合もありますが、スタッフが表面的に周囲に合わせることで隠れてしまっているケースも少なくありません。これらはバラバラにあるのではなく、つながって複合的に発生することがしばしばあります。いきなりもぐらたたき的に個別に対応してもうまくいかいなのです。したがって、これらを乗り越えるためには、全体像を踏まえた次の2つのステップが必要です。
第1ステップ 構造的に捉え、前提を揃える
前提として、重点課題を取組み、その成功イメージを共有することが重要です、そのためには、
●重点課題のミッション・ビジョンを共有する
●スモールステップを設定する
ことが大事です。そうすることで、取り組みを「やらなければならない」といったマイナスの緊張感を「やることに価値がある」「やることが成長につながる」といったプラスの緊張感に変えていくことが求められます。
第2ステップ その上で個別の阻害要因に対応する
第1ステップで、前提を揃えた上で、個別の阻害要因に分けて考え、自社・自店の取り組みのどこがボトルネックになっているかを見渡します。これらの対応策の方向性例は表に提示していますので、ご参照ください。
みなさんの会社・組織において、これらの阻害要因が重点課題推進のハードルになっていないでしょうか?是非、一度検討してみてください。
2021.11 株式会社ネグジット総研経営コンサルタント 久保 隆